詐欺で振り込んだお金、戻らない3つのケース
SNS型投資詐欺やフィッシングサイトへの入力で自分から振り込んでしまったお金は、盗難・偽造カードの不正引き出しとは違う法律(振り込め詐欺救済法)が適用され、口座に資金が残っていなければ全額は戻らないことが多いです。実際の仕組みを整理しました。

「詐欺で騙されたお金は全額戻ってくる」という思い込みが、被害後の対応を遅らせてしまうことがあります。実際には、盗難・偽造カードによる不正引き出しと、自分の意思で振り込んでしまった詐欺被害とでは、適用される法律も戻ってくる可能性もまったく違います。
「詐欺=全額戻る」という思い込み
偽造・盗難カードによる不正引き出しは預金者保護法の対象で、預金者に過失がなければ原則として全額補償される仕組みです。ところが、SNS型投資詐欺やフィッシングサイトに自分で情報を入力し、自分の意思で振り込んでしまった場合は、この法律の対象外です。適用されるのは振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)という別の枠組みで、補償の考え方そのものが違います。
実際に戻るかどうかを分ける3つの条件
振り込め詐欺救済法は、振込先の口座にまだ資金が残っていれば、その残高から被害回復分配金として支払いを受けられる仕組みです。逆に言うと、次の3点次第で結果が大きく変わります。
- 振込先の口座から資金がすでに引き出されていないか — 引き出し済みなら、その分は分配金の原資自体が存在しないため戻りません。
- 被害に気づいてから金融機関に凍結を依頼するまでの速さ — 早ければ早いほど、資金が口座に残っている可能性が高くなります。
- インターネットバンキングの不正送金かどうか — こちらは全国銀行協会の自主的な補償基準が別途あり、パスワードを他人に教えるといった重大な過失がなければ補償される運用が一般的です。
特定の銀行や保険商品を推奨する趣旨ではありません。どの金融機関を使っていても、早期の連絡と口座凍結の依頼が結果を左右する一番の要因です。
よくある質問
警察に届け出るだけで手続きは進みますか?
警察への被害届に加えて、振込先の口座がある金融機関への連絡と、振り込め詐欺救済法に基づく口座凍結・分配金申請の手続きが別途必要です。
サイバー保険に入っていれば全額補償されますか?
商品によって補償範囲が異なり、実際に失った送金額そのものではなく、対応にかかった費用などを補償する設計のものもあります。契約内容の確認が必要です。
被害に気づいたら、まず振込先金融機関への連絡と口座凍結の依頼を数分でも早く行うことが、戻ってくる金額を左右する一番の行動です。この記事は振り込め詐欺救済法と預金者保護法の一般的な仕組みを説明したもので、実際の被害回復の可否は口座の状況によって個別に異なるため、警察や金融機関、消費生活センターに早めに相談してください。
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